2013年4月27日土曜日

不安障害の薬物療法に使用される薬について


通常不安障害に用いられる薬には次のようなものがあります。

・ 抗うつ剤
・ 抗不安剤
・ ベータ遮断薬(β―ブロッカー)

これ等の薬はいずれも患者が普通の生活を送りやすくするため
のものです。


まず、一番よく耳にする抗うつ剤についてです。


【抗うつ剤】
抗うつ剤は、元々うつ病治療に使用されましたが、現在では
不安障害にも効果があることが分かっています。

脳内の化学物質レベルを上げる作用があり、服用を始めてから
症状が治まるまでは4~6 週間かかります。

抗うつ剤には様々な種類があり、実際に使用する時は医師が
患者の症状に合わせて処方します。

1 種類ではなく複数の抗うつ剤が処方されることもあります。

きちんとした効果を出すためには、指示された通りに
飲まなくてはなりません。

・ SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
脳細胞のコミュニケーションレベルを変える作用があります。

1980 年にアメリカで開発され、日本でも1999 年に
厚生省(当時)によって認可されました。


よく知られているものにプロザック、ゾロフト、レクサプロ
などがあります。


対人恐怖やうつ病、強迫性障害(OCD)などが組み合わされた
パニック障害の治療に用いられます。


比較的新しい薬でその最大の特徴は副作用が少ない
ということです。


但し、使用当初は一時的に不安や吐き気を感じることがあります。


薬の場合この副作用が少ないというのは大きなメリットです。


副作用のあまりの辛さから、患者が勝手に薬の服用を
止めてしまうことがあるからです。


使いやすい薬なので抗うつ剤の薬としては特に理由が無い限り、
第一番目に選ばれる薬になっています(第1 選択薬)。


・ 三環系抗うつ薬-SSRI より古くからあるもので、
OCD 以外の不安障害に用いられます。


初めは少量で投与し徐々に増やしていきます。


即効性が高いので重度のうつ病などの治療に高い効果がありますが、
めまい、口の渇き、眠気、体重増加などの副作用があります。


第一世代と第二世代があり、第二世代のものは副作用が軽減
されています。


全般性不安障害(GAD)とパニック障害にはトフラニール、
OCDにはアナフラニールが用いられます。


・ モノアミン酸化酵素阻害薬(MAOI)-抗うつ剤の中で最も
古くからあるもので、主に不安障害や不安発作などの症状に
用いられます。


脳細胞間の情報伝達をする神経伝達物資のひとつである
モノアミンの働きに作用する薬です。


良く知られているのは、ナーディル、マープラン、パルネート
などです。


MAOI を飲む際はチーズや赤ワインなど、避けなければならない
食べ物、飲み物があります。


また、アドビル、モトリン、タイレノール、その他痛みを抑える
薬や風邪薬、アレルギー用の薬も飲むことができません。


女性の場合は経口避妊薬が使えない場合もあります。


ハーブ系のサプリメントも併用できません。


MAOI と混ざると拒絶反応が引き起こされる場合が
あるためです。


⇒パニック症候群克服【がんばりすぎず、あきらめない】